ChatGPT も Claude も Gemini も、まずは「土台」を理解すればどれを使っても怖くない。
90分で、AI と一緒に働ける人になります。
同僚に「ねぇ、AIってつまり何?」と聞かれて、3行で答えられる。
ChatGPT / Claude / Gemini を、用途で使い分けできる。
議事録要約・文章校正など、今日学んだ技を即実践できる。
15分・正体を3つの「街のたとえ」で理解
15分・ChatGPT / Claude / Gemini と専門ツール
15分・LLM・トークン・確率・記憶の話
15分・プロンプトの黄金ルールを Before/After で
15分・議事録・文章校正・リサーチ・分析
10分・機密・ハルシネーション・著作権
CHAPTER 01
— 「賢いやつ」の正体を、3つの街角でつかむ。
本・Web・コードを 数兆語 読み込んでパターンを獲得する。
「おはよう」の次に来やすい言葉は「ございます」90%… のように選ぶ。
あたかも考えているように見えるが、意味を理解しているわけではない。
| 世代 | 得意なこと | 身近な例 | 登場時期 |
|---|---|---|---|
| 第1世代 ルールベースAI |
決められたルールに沿って判定 | スパムフィルタ、自動販売機、ATM | 1960年代〜 |
| 第2世代 機械学習AI |
過去データから「分類」「予測」 | 顔認証、レコメンド、需要予測 | 2010年代〜 |
| 第3世代 生成AI(今ココ) |
文章・画像・コードを新しく作る | ChatGPT / Claude / Midjourney | 2022年〜 |
本研修で扱うのは「第3世代 = 生成AI」。2022年11月の ChatGPT 登場以降、世界が変わった。
第1世代 = ルールベース
「ICにこの金額があれば通す」と白黒で判定。融通は利かないが、ぜったい裏切らない。
第2世代 = 機械学習
「この時間によく売れるのはおにぎり」と過去から学んで補充を提案。傾向を読む。
第3世代 = 生成AI(今)
あいまいな質問にも「文章で」答えてくれる。たまに間違えるが、相談相手として優秀。
— 同じ「AI」でも、性格と得意分野はぜんぜん違う。本研修は ③ の話です。
これを ハルシネーション (hallucination, 幻覚) と呼ぶ。AI が学習データになかったことを、もっともらしく作ってしまう現象。
「日本で5番目に高い山は常念岳です(実は赤石岳)」
「論文 “XXX et al., 2023”を参考に…」← その論文、存在しない
AI は「賢い友達」ではなく「自信家のインターン」。最終チェックは必ず人間が。
意味を理解しているわけではない。だから、間違える。
2022年から世界を変えた、文章・画像・コードを「作る」AI。
ハルシネーションは仕様。最終チェックは人間の仕事。
「AIは自信家のインターン。任せていい仕事と、任せてはいけない仕事を見分けよう。」
Q1生成AIは、AIの「何世代目」にあたる?
Q2「ハルシネーション」とは、AIの何を指す?
Q3次のうち、AIに任せやすい仕事はどれ?
CHAPTER 02
— ChatGPT、Claude、Gemini。それぞれの「役割」を1枚で。
アメリカ・2015年設立
ChatGPT の生みの親。世界で最もユーザー数が多い。
料金: 無料/Plus $20/Pro $200
アメリカ・2021年設立
Claude を提供。元OpenAI幹部が安全性重視で立ち上げ。
料金: 無料/Pro $20/Max $100〜
アメリカ・2010年設立
Gemini を提供。Google検索・Workspace と統合。
料金: 無料/Advanced $20/Ultra
この3つを押さえれば、業界の80%は理解できる。残りは特化型ツール。
| やりたいこと | 第1候補 | 第2候補 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| ふだんの調べもの・壁打ち | ChatGPT | Gemini | 無料でも十分。Web検索ON推奨 |
| 長文の要約・分析 | Claude | Gemini | 20万トークンまで読める強み |
| コードを書く・直す | Claude Code | ChatGPT | ファイル操作まで一気通貫 |
| 画像を作る | Midjourney | Gemini Image / DALL·E | 商用なら規約確認必須 |
| 動画を作る | Veo / Sora | Runway | 2026年は動画AIの本命年 |
| 議事録・文字起こし | Notta / tl;dv | Whisper API | 会議ツール直結が便利 |
| スライド作成 | Gamma | Tome | 1分で骨子ができる |
| リサーチ深掘り | Perplexity | ChatGPT(検索) | 出典付きで返してくれる |
AI 本体。学習されたニューラルネットワーク。
例: GPT-5 / Claude Opus 4.7 / Gemini 3 Pro
モデルを載せて使えるようにしたUI/アプリ。
例: ChatGPT(Web) / Claude.ai / Gemini App / API
車のエンジン(モデル)が同じでも、
セダン・SUV・トラックとして違う形で売られる。
たとえば Claude Sonnet 4.7 というエンジンは:
…と、いろんな「車」に載せられる。
最新モデル使用回数に制限あり。
機能の一部だけ使える。
¥0
まずはここから。十分試せる。
月額固定。回数制限が緩和、
最新モデル+全機能アクセス。
月 ¥3,000 〜 ¥30,000
ふだん使うなら断然これ。
使った分だけ課金。
自社システムに組み込む時はこっち。
100万字あたり 数百円〜
エンジニア・自動化向け。
個人なら ChatGPT Plus($20)+ Claude Pro($20) の2刀流が王道。月¥6,000で世界トップのAIが両手にある。
OpenAI / Anthropic / Google。残りは特化ツール。
調べもの→ChatGPT、長文→Claude、検索→Perplexity
Plus + Pro の2刀流。仕事用は会社契約のEnterprise版を。
Q1現在の生成AI業界で「3大プレイヤー」とされる企業はどれ?
Q220万トークンを超える長文の要約に最も向いているのは?
Q3「モデル」と「サービス」の違いは?
CHAPTER 03
— LLM・トークン・確率・記憶。なぜそう動くのかを15分で。
直訳すると「大きな言語モデル」。大量のテキストを読み込んで、言葉のパターンを学んだAIのこと。
ChatGPT も Claude も Gemini も、その本体は LLM。
「ある単語のあとに、どの単語が来やすいか」を計算し続けることで、文章を生成している。
「LLM = ものすごく大量に本を読んだオウム」。意味は理解していないが、続きをすごく上手にしゃべれる。
# 内部でやっていること(イメージ) 入力: "おはよう" ↓ 次に来る単語の確率: ございます 90% ! 5% パパ 2% ... ↓ 出力: "ございます" ↓ (もう一回繰り返し) 出力: "。"
AIは文字を「文字単位」ではなく「トークン単位」で読む。英語は1単語≒1トークン、日本語は1〜2文字≒1トークン。
# 例: "I love sushi" → [I] [love] [sushi] = 3 トークン # 例: "私は寿司が好きです" → [私] [は] [寿司] [が] [好] [き] [です] = 7 トークン
同じ意味でも英語の2倍くらいトークンを食う。長文要約は原文を要点抽出してから渡すとコスト半減。
一度のやりとりで AI が覚えていられる最大トークン数。これを超えると、最初の方を「忘れる」。
| モデル | サイズ | 本に換算 |
|---|---|---|
| GPT-4o | 128,000 tok | 文庫本 約2冊 |
| Claude Opus 4.7 | 200,000 tok | 文庫本 約3冊 |
| Gemini 2.5 Pro | 1,000,000 tok | 文庫本 約15冊 |
| Claude (1M context) | 1,000,000 tok | 文庫本 約15冊 |
長すぎる会話は 「ここまでの要点をまとめて」 と区切ると賢さを保てる。
答え: 確率で動いているから。
AIが「次の単語」を選ぶとき、1番確率が高いものだけを毎回選ぶわけではない。やや低い候補も混ぜて、人間っぽい揺らぎを作る。
この揺らぎを「Temperature(温度)」と呼ぶ。
| 業務 | 推奨 |
|---|---|
| 議事録要約 | 低め(事実重視) |
| 翻訳 | 低め(揺れない) |
| キャッチコピー作成 | 高め(バリエーション欲しい) |
| 新規企画ブレスト | 高め |
| コード生成 | 低め(バグ防止) |
※ Web版では設定できないが、概念として知っておくと「同じ答えが欲しい時は別アプローチを取ろう」と判断できる。
AI モデルには「学習カットオフ日」がある。それより後のニュース・人事・データは知らない。
例えば「GPT-5の学習データは 2025年4月まで」のような形。カットオフ後の出来事を聞くと、自信満々で間違える。
最新情報を聞く時は 「Web検索ON」 にする / Perplexity を使う / 自分で URL を渡す。
→ つまり、「最新情報を扱う」=「外部ツールと組み合わせる」のが正解。
同じ答えが欲しいなら設定で固定、創造的なら揺らす。
長文は要約しながら渡す。重要指示は毎回先頭に。
最新情報は外部ツール/Web検索/Perplexityで補う。
「AIは“賢いオウム”。仕組みを知って、向く仕事だけ任せる。」
Q1LLM(Large Language Model)の正体は?
Q2同じ質問に対してAIの答えが毎回少しずつ違う理由は?
Q3コンテキストウィンドウとは何?
CHAPTER 04
— プロンプト = AIに仕事を頼む技術。Before/After で覚える。
AI への入力テキスト全部。精度の8割はプロンプトで決まる。同じAIでも、頼み方ひとつで結果が天と地ほど変わる。
「マーケティングについて教えて」
→ 教科書みたいな一般論が返ってくる。
使えない。
「私は中小企業のIT担当です。
30代経営者向けにSaaSを売る予算500万円のデジタル戦略を、施策3つ、KPI付きで提案して」
→ 自社で使えるレベルの提案が返る。
「あなたは○○のプロです」と最初に伝える。
業界・規模・自分の立場を1〜2行で説明する。
箇条書き・表・JSON・文字数 etc.
「こんな感じで作って」と1〜2個サンプルを渡す。
「専門用語は使わない」「中学生でもわかる言葉で」など。
1発で完璧を目指さない。ダメ出し前提で会話する。
業務: 新サービスのキャッチコピーを考えたい
「うちの会計SaaSのキャッチコピーを考えて」
結果: 「未来を、変える会計。」みたいな当たり障りない案が10個。どれも使えない。
あなたはB2B SaaSのコピーライターです。
商品: 中小企業向け会計SaaS(月¥3,000)
ターゲット: 経理初心者の20-30代
競合: freee, MoneyForward
差別化: AIが仕訳を自動提案
--
感情に刺さる15字以内のキャッチを
5パターン+理由付きで提案して。
結果: 「仕訳、AIが言うので。」など、即使える案が複数。
# 役割 あなたは [業界] の [肩書き] です。 # 背景 私は [自分の立場] で、[現在の状況] を抱えています。 # 依頼 [やってほしいこと] をお願いします。 # 制約 - [出力形式: 表 / 箇条書き / JSON など] - [文字数 / トーン / NG事項] - 不明点があれば質問してください。 # 参考データ [必要なら情報を貼付]
— このテンプレを覚えるだけで、「使えないAI」が「使えるAI」に変わる。
「あなたは〇〇」「私は〇〇」の2行から始める。
表/箇条書き/文字数/NG事項を明示。
1発勝負しない。「もっと〇〇に」で対話的に育てる。
Q1良いプロンプトの「最初」に書くべきはどれ?
Q2AIに依頼するとき、1発で完璧を目指すべき?
Q3出力形式(表・JSON・文字数など)を指定すべき?
CHAPTER 05
— 議事録・文章校正・リサーチ・分析。明日から使える4つ。
会議を録音
Notta / tl;dv / Zoom録画
文字起こし
多くのツールが自動で対応
AIに整形依頼
下記のプロンプト
# 議事録整形プロンプト 以下の文字起こしを、社内議事録形式に整形してください。 ## 構成 - 会議名・日時 - 参加者 - 議題 - 決定事項(3つまで) - ToDo(担当・期限・タスク) - 次回までに ## 文字起こし [ここに貼る]
1時間の会議の議事録 = 30分→3分。
月20会議で 9時間/月の削減。
# 校正プロンプト例 以下の文章を [ターゲット] 向けに、 [トーン]のトーンで書き直してください。 ## 修正観点 - 冗長な表現を簡潔に - 専門用語は補足を入れる - 結論ファースト - 読み手のメリットを最初に ## 元文章 [ここに貼る] ## 出力 - 修正版 - 主な変更点(3つ)
「3パターン提案して、それぞれの違いを説明して」と頼むと選べる選択肢になる。1案だけ受け取らないこと。
| ツール | 得意 | 料金 |
|---|---|---|
| Perplexity | 出典付き高速調査 | 無料/Pro $20 |
| ChatGPT (Web検索) | 会話的に深掘り | Plus $20 |
| Deep Research | 20-30分かけて精査 | ChatGPT/Gemini Pro |
| NotebookLM | 自分の資料を分析 | 無料 |
# リサーチプロンプト [テーマ] について調べてください。 ## 出力構成 1. 概要(3行) 2. 主要プレイヤー(5社)+特徴 3. 市場規模・成長率(出典付き) 4. 国内事例3つ 5. 想定リスク 6. 参考URL(公式・1次情報優先) ## 制約 - 2024年以降の情報を優先 - 推測は明示する - 情報がない場合「不明」と書く
ChatGPT / Claude にCSVファイルをドラッグ&ドロップ → AI が自動で:
顧客名・電話番号などは事前にマスクしてから渡す。Enterprise版以外は学習に使われる可能性あり。
# 分析プロンプト 添付のCSVは [何のデータか] です。 以下を分析してください: 1. データの概要(行数・列数・期間) 2. 異常値や欠損の有無 3. 主要KPIの推移 4. 注目すべき変化(前月比10%以上) 5. 想定要因(仮説3つ) 6. 次の打ち手提案(優先度付き) 可能ならグラフも生成してください。
録音→AIで5分
3パターン出して比較
Perplexityで出典付き
CSVを投げるだけ
「全部やろうとしない。ひとつだけ、毎日使う。それが定着への最短ルート。」
Q11時間の会議の議事録を最速で作る方法は?
Q2出典付きで信頼性の高いリサーチをしたいときに最適なAIは?
Q3顧客データのCSVをAIで分析する前に、必ずすべきことは?
CHAPTER 06
— ここを知らないと、便利が一気に「事故」に変わる。
無料版・個人 Plus → 学習に使われる可能性あり。Enterprise / API → 学習に使われない。会社で使うなら必ず Enterprise プランで。
| 落とし穴 | 状況 | 対策 |
|---|---|---|
| ① 学習データの著作権 | 「画風が似すぎる」と権利者からクレーム | 有名作家風プロンプトは避ける、商用前にチェック |
| ② 生成物の権利 | AIが作った画像、誰のもの?(国により判断分かれる) | 商用利用規約を必ず確認、必要なら有償版で利用 |
| ③ 商標との類似 | AIが既存ロゴに似たものを生成 | 商標出願前に類似商標検索を必ず実施 |
① 個人情報保護法(改正2024.4) / ② 著作権法(30条の4・47条の5)/ ③ 不正競争防止法(営業秘密)/ ④ AI事業者ガイドライン(経産省・総務省)/ ⑤ EU AI Act(EU市民にサービス提供時)
会社が許可した AI のみ。シャドーAIは禁止。
判断に迷ったら情シスに確認。
固有名詞・数字・引用は必ず検証。
社外送信メール・SNS投稿・資料すべて。
事故が起きた時のエスカレーション先を明確に。
うまくいったケース・ヒヤリハットを共有して全員で学ぶ。
個人情報・財務・APIキー・NDA対象。
固有名詞・数字・引用は必ず人間が検証。
承認ツールのみ・上長レビュー・違反は即申告。
「AIは“便利な道具”、“魔法の杖”ではない。最後はあなたの責任で世に出す。」
Q1AIに入れていいデータはどれ?
Q2「AIに学習されない」契約があるのはどれ?
Q3AI生成画像で起きる「著作権の落とし穴」はどれ?
ChatGPT / Claude を会社契約で開設。毎日1個の業務で使ってみる。
議事録/校正/リサーチを自分用テンプレ化。チームメンバー1人を巻き込む。
部署内勉強会で事例共有、社内 FAQ を整備、Module 2-10 で発展へ。
Module 2: AI応用(主要ツールの深掘り)→ Module 3: Claude Code 基礎 → Module 9: AIガバナンス → Module 10: 業種別ケーススタディ
90分お疲れさまでした。
AIは「使う・使わない」で人生が分かれる時代になりました。
今日学んだ5原則と4ユースケース、明日ひとつだけ試してみてください。
— それが、あなたのAI元年です。